■今大会最大規模のスタジアム

 これこそワールドカップ! メキシコは過去2回ワールドカップの開催国となり、その2回目はコロンビアの辞退による代替開催という「棚ぼた」だったが、ディエゴ・マラドーナのおかげで記憶に残る大会となった。そしてアステカは、今回を含む3回のワールドカップの開幕戦を開催するという栄誉を得たのである。メキシコ人たちは、アステカを紹介するとき、必ず「ペレもマラドーナもここでプレーした」と言う。

 アステカは、1970年ワールドカップに向けて1966年に完成し、2回目のワールドカップを前に1985年に小規模な改修を行ったが、基本的には完成した当時のままのコンクリートのかたまりである。「60歳」という、スタジアムとしては超高齢ながら、収容8万824人は決勝戦が行われる「ニューヨーク/ニュージャージー会場」のメットライフ・スタジアム(8万663人)とともに今大会屈指の大きさを誇る。

 試合はメキシコが終始ボールを支配し、前半、見事なハイプレッシャーから先制、後半にもエースのラウル・ヒメネスがヘディングで叩き込んで2-0の勝利。南アフリカは5バックでよく守っていたが、退場者2人を出して自滅の形だった。

 この勝利がメキシコ国民を狂喜させたのは間違いない。「テレムンド」はすぐに町に出てファンの声を拾った。「ビバ、メヒコ!(メキシコ万歳)」の声が響いた。

(2)へ続く
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