■「試す必要はなかった」はずが…

 普通は現地入りしてから、2試合程度の親善試合でさまざまなテストを行うものだ。

 日本代表も、これまでの大会では必ず直前に親善試合を組んできた。たとえば、2010年の南アフリカ大会の直前にはスイスでの事前合宿中にコートジボワール、イングランドと対戦。問題点が続出したため、岡田武史監督(当時)はチーム・コンセプトの変更を決断。南アフリカに入ってから、急きょジンバブエとの試合を組んで、その新しいアイディアを実践して本番に臨むことになった。

 今回は森保一監督にとっては2回目のワールドカップ挑戦であり、本番までのシミュレーションもできているのだろう。8年近くにわたってつくり上げてきたチームの完成度は高く、また、最近の英国遠征などで戦術のバリエーションも増やすことができていた。

 つまり、今さら、大会直前に親善試合を組んで何かを試す必要はなかった……はずだった。

 だが、実際には遠藤航や冨安健洋の状態とか、南野拓実、三笘薫の穴といった不安材料を抱えた中での直前の調整ということになってしまった。

 もちろん、監督以下コーチング・スタッフにはきちんとした対策が共有できているのかもしれないが、外部から見ているわれわれはオランダとの実戦で新しい戦い方を披露してもらうまでは不安を抱えたまま待つしかなくなってしまった。

つづく

(2)へ続く
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