■歌姫の帰還

 ちなみに、この2010年ワールドカップ後、シャキーラは優勝したスペイン代表のDFジェラール・ピケとパートナーとなり(2022年に破局)、2人の子どもを生んだ後も世界的なスターの地位を保っている。そして49歳を迎えた今、「ワールドカップ26」の公式ソングのひとつ『Dai Dai』で再びワールドカップの舞台に戻っているのである。

 コンビを組んだのはナイジェリア出身の男性歌手バーナ・ボーイ。公式ビデオでは、キリアン・エンバペが「シャキーラ、ウィー・アー・レディー(準備はいいよ)」と語り、次々とワールドカップのトップスターが「ウィー・アー・レディー」と言った後に音楽が始まる。選手たちのなかには、久保建英やリオネル・メッシもいる。

 アフリカを象徴するバオバブの大木の前で2人のダンサーと踊りながら歌うシャキーラ。もちろん裸足だ。「ダイダイ」とは、イタリア語で「レッツゴー」の意味。その直後には「行こう!」という、こんどは正真正銘の日本語が入っている。歌詞のなかには、ペレ、マラドーナをはじめとした新旧のスター選手の名前も登場する。

 う~む、曲としては「ワカワカ」がはるかに楽しかった気がするが、こうも「日本寄り」にされると気にしないわけにはいかないか。

「公式ソング」は耳からワールドカップの記憶をたどることができる重要なものだが、私の「許容量」は「イタリアの夏」と「ワカワカ」でいっぱいになってしまったかもしれない。森保一監督率いる日本代表は、「ダイダイ」が耳から離れないような、これまでになく楽しくてエキサイティングなワールドカップにしてくれるだろうか―。

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