■日本語が入っている!?

 もうひとつ私が驚いたのは、「サビ」の部分に「さあ、みんな、みんな」と日本語と思しき歌詞が出てきたことだった。この曲を世界に配信したのは大会の公式スポンサーでもあったソニーだったので、日本に気をつかったのだろうかと思ったほどだ。

 しかし実際には、その歌詞は「Tsamina mina mina」というアフリカの言葉で、それに「zangalewa」が続いていた。「Waka Waka」という言葉とともに、このフレーズおよびメロディーは、カメルーンの「ゴールデン・サウンズ」というバンドが1986年に発表した『Zangalewa』という曲からの借用だったという。意味はカメルーンの言葉で、「Tsamina mina」の部分が「こっちに来て」で、「Waka Waka」は「一緒にやろう」、「Zangalewa」は「誰がお前を呼んだ?」だという。

 よくわからないが、ゴールデン・サウンズも自分たちのオリジナルではなく、第二次世界大戦時に軍隊で歌われていた曲をもとにつくったらしい。当時カメルーンはフランスの植民地で、ナチス・ドイツに敗れてアフリカに逃れたシャルル・ドゴールが結成した「自由フランス軍」の拠点となったことで、カメルーンの若者たちも召集されたのである。

 そうした経緯はともかく、「ワカワカ」は世界中で大ヒットし、「ワールドカップの歌」というだけでなく、「サッカーの歌」としてその後も高い人気を得ている。2018年ワールドカップロシア大会でも2022年カタール大会でも、ワールドカップの試合前には必ずと言っていいほどこの曲のビデオが流れ、スタンドのファンを楽しませた。

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