サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、ワールドカップの耳での楽しみ方について。
■アフリカ的だったシャキーラ
シャキーラはすでに世界に知られる歌手だったが、同時代の音楽に興味のなかった私はその名さえ聞いたことがなかった。4年前の2006年大会(ドイツ)の決勝戦キックオフ前に行われた閉会式で画面に表れたのは、長い金髪の肉感的な美女だった。
シャキーラはコロンビアで生まれ育ち、10代で人気歌手となった。この当時は33歳だったはずだ。Wikipediaによれば、父はアメリカ生まれのレバノン系、母はカタルーニャ系であったという。このシャキーラが2010年大会の公式ソングを歌うと発表されたとき、南アフリカ国内では激しい反対運動が起きたらしい。南アフリカは「音楽の国」「歌の国」であり、国際的に知られたバンドや歌手がたくさんいたからだ。
しかし大会の開幕1か月前にこの曲がリリースされると、南アフリカの人々も熱狂した。「兵士のようにゴールを目指そう」という内容の曲だったが、リズムがアフリカ的で、しかもたくさんのダンサーや子どもたちと踊るミュージックビデオが楽しさに満ちていたからだ。
私にとって何よりも衝撃的だったのは、アフリカっぽい衣装を着たシャキーラが裸足だったことだ。裸足でステップを踏み、腰を振り、ジャンプするシャキーラは真っ白な肌をしていたが、間違いなく「アフリカ的」だった。



























