大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第190回「世界選手権か、ワールドカップか」(2)イングランドが優勝したのはW杯じゃない!72年の時を経て「日韓大会」で決した正式名称の画像
1930年の第1回大会から1970年大会まで9大会で使用された「ジュール・リメ・カップ」。幾多の試練を乗り越えたカップも、1983年に盗難に遭い、溶かされてしまった。©Y.Osumi
■【画像】名称がバラバラ!過去25大会の「ワールドカップポスター」を一挙出し!

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、昔は乱れていた世界最大のスポーツイベントの名前について。

■「コパ」では軽すぎる?

 計画が生まれてはさまざまな理由で頓挫していた「国際トーナメント」を実際に開催することがFIFAで決議されたのは、1928年にアムステルダムで開催されたFIFAの総会だった。この決定を受けて「委員会」が設立され、大会名称を「ワールドカップ」とした。

 しかし、国の独立百周年記念行事の一環として第1大会を引き受けたウルグアイは、大会の正式名称を「Campeonato Mundial de Football(サッカー世界選手権)」とした。「Copa」ではあまりに軽く、人々の関心を引きつけられないという理由だった。

 不安のうちに始まった第1回大会は興行面でも財政面でも大成功に終わり、以後、ワールドカップは世界の寵児となっていく。そして「世界選手権」の名称も受け継がれていくことになる。

 国際サッカー連盟(FIFA)の第3代会長ジュール・リメのお膝元のフランスで開催された第3回フランス大会(1938年)では、正式名称として初めて「Coupe du Monde(ワールドカップ)」が使われたが、以後再び「世界選手権」に戻り、それが1978年のアルゼンチン大会まで続くのだ。驚くべきことに、初めての「英語圏」の大会として1966年にイングランドで開催された大会も、人々は「ワールドカップ」としか言わず、メディアでもそう表現されていたにもかかわらず、正式名称は「World Championship」だった。

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