サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、昔は乱れていた世界最大のスポーツイベントの名前について。
■「コパ」では軽すぎる?
計画が生まれてはさまざまな理由で頓挫していた「国際トーナメント」を実際に開催することがFIFAで決議されたのは、1928年にアムステルダムで開催されたFIFAの総会だった。この決定を受けて「委員会」が設立され、大会名称を「ワールドカップ」とした。
しかし、国の独立百周年記念行事の一環として第1大会を引き受けたウルグアイは、大会の正式名称を「Campeonato Mundial de Football(サッカー世界選手権)」とした。「Copa」ではあまりに軽く、人々の関心を引きつけられないという理由だった。
不安のうちに始まった第1回大会は興行面でも財政面でも大成功に終わり、以後、ワールドカップは世界の寵児となっていく。そして「世界選手権」の名称も受け継がれていくことになる。
国際サッカー連盟(FIFA)の第3代会長ジュール・リメのお膝元のフランスで開催された第3回フランス大会(1938年)では、正式名称として初めて「Coupe du Monde(ワールドカップ)」が使われたが、以後再び「世界選手権」に戻り、それが1978年のアルゼンチン大会まで続くのだ。驚くべきことに、初めての「英語圏」の大会として1966年にイングランドで開催された大会も、人々は「ワールドカップ」としか言わず、メディアでもそう表現されていたにもかかわらず、正式名称は「World Championship」だった。




























