猛攻を耐え抜いた柏戦、ピッチ上の判断が生んだ90分の劇的弾【ゴールデンウィーク3連戦で見えた東京V「進化の兆し」】(2)の画像
東京ヴェルディだけではなく、FC東京、FC町田ゼルビアも力を伸ばしている。東京勢躍進の時が近づく。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 名門に変化の兆しが見える。久々にJ1に復帰した2024年には6位と躍進したが、昨季は17位と落ち込んだ東京ヴェルディ。戦力の流出などに苦しむが、J1百年構想リーグでも東地区4位にまで浮上してきた。サッカージャーナリスト後藤健生は、厳しいゴールデンウィーク3連戦に、さらなる進化の兆しを見た。

■相手を苦しめる柏のパス・サッカー

 中3日で迎えた柏との試合は、逆に東京Vにとって難しい試合となった。

 リカルド・ロドリゲス監督の柏は、昨年は素晴らしいパス・サッカーで優勝した鹿島を追い詰めての準優勝となったが、今シーズンは開幕からパスはつながるものの、それがゴールに結びつかずに苦しい戦いを続けていた。

 そこで、リカルド・ロドリゲス監督は秋から始まる正規リーグ戦とACLEを並行して戦う新たなシーズンを見据えてのテストを行うとして、東京V戦ではこれまで右サイドを主戦場としていたWBの久保藤次郎を左サイドに置き、また新戦力の島野怜を起用した。

 そして、柏はセンターバックも攻撃に参加して、MFやWBとともにサイドからの分厚い攻撃を徹底してきた。結果が出ない中で「本来の戦い方」を変えるのではなく、さらにそれを徹底してきた形だ。

 たとえば、久保がプレーした左サイドでは、CBの三丸拡、MFの原川力、WBの久保、シャドーの汰木康也が加わってパスを回し、互いにポジションを変えながら攻め込んでくる。もちろん、右サイドでもCBの馬場晴也が高い位置を取るなど同様の形を使ってくる。さらに、右サイドにはポジションを自由に変えてパス回しに加わる小泉佳穂という厄介な存在もいた。

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