■ジーコの「過去一」のプレー

 僕がジーコを初めてちゃんと見たのは、1986年のメキシコ・ワールドカップ準々決勝のフランス戦の時でした。

 ジーコは1978年のアルゼンチン大会から出場していますが、僕は1982年大会までは一般観客であり、あらかじめ購入していた入場券で試合を見ていたため、ワールドカップではなかなかブラジル代表の試合を見る機会がなかったのです。

 僕が初めてADカードを取得した1986年大会では、ジーコは膝を負傷していてフル出場は難しい状態でした。

 フランス戦でも、ジーコはベンチスタートでした。

 カレッカが先制し、ミシェル・プラティニが同点とします。そして、71分、ブラジルのテレ・サンターナ監督はミューレルに替えてジーコをピッチに送り出します。すると、ジーコはファーストタッチで鋭いスルーパスを通して、飛び出したブランコがフランスのGKジョエル・バツに止められてPKを獲得。しかし、ジーコのキックはバツに止められてしまいます。

 試合は、そのまま1対1で終了し、PK戦でフランスが準決勝進出を決めました。グアダラハラのハリスコ・スタジアムで行われたこの試合は、僕がこれまで生観戦してきた7751試合の中でも最高の試合でした。

 その後、ジーコのプレーを見たことは何度かあったはずですが、この時の印象を上回るものはありませんでした。

(2)へ続く
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