■「2チーム態勢」で臨んだトゥヘル監督

 イングランドのトゥヘル監督は、ウルグアイ、日本との連戦となったこの「3月シリーズ」に35人もの選手を招集し、「2チーム態勢」で臨んだ。3月27日のウルグアイ戦後に8人が離脱してクラブに戻り、代わって9人が合流した。ウルグアイ戦は完全な「テストメンバー」で、故障者を除けば日本戦が「主力」のはずだった。

「理想の11人」から遠かったとはいえ、現時点の「ベストチーム」であるイングランド代表に、日本は1-0で勝ったものの、日本代表としての「理想」からはかけ離れた内容となった原因は、非常に明らかだったように思う。「球際」での劣勢である。日本とイングランドの選手がほぼ体を寄せた状態で1対1の競り合いをしたとき、ボールは圧倒的にイングランドのものとなった。

 以下は私が映像を見直して数えた数字である。見落としもあるはずだ。ただ、参考にはなると思う。日本がボールを保持している状況で、イングランドの選手が体を寄せてチャレンジしてきた回数は、試合を通じて53回あり、イングランドはそのうち33回にわたってボールを奪った。日本がボールを保持できたのは19回(36%)である。それに対し、イングランドがボールを保持している状況で、日本の選手が詰め寄ることができたのは41回だったが、奪えたのは14回(34%)。それも多くが、自陣のペナルティーエリア周辺のもの(相手のリスクを冒したパスを受けた選手への当たり)だった。27回はイングランドの選手がしっかりと切り抜けた。

つづく

(2)へ続く
  1. 1
  2. 2
  3. 3