後藤健生の「蹴球放浪記」第304回「サッカー観戦旅行に欠かせないアルコールのたしなみ方」(1)97年ワールドユースは現JFA会長やアイマールが出場した華やかな大会だが、酒探しに難儀…の画像
1997年ワールドユース選手権決勝の入場券。提供/後藤健生

 サッカーは、存在するそれぞれの地域の文化を表現するものだ。プレースタイルも楽しみ方も、さまざまな手法が存在する。そうした文化的側面で欠かせないもののひとつが、アルコールとの付き合い方だ。蹴球放浪家・後藤健生が、自身の経験を通じてつづる。

■禁酒の文化

「不許葷酒入山門」という言葉をご存じでしょうか?

「くんしゅさんもんにいるをゆるさず」と読みます。「葷」とはネギやニラ、ニンニクといった刺激の強い食べ物。そして「酒」はもちろんアルコール飲料のことです。

 禅寺をはじめとした仏教寺院の門の前に建てられた戒壇石(かいだんせき)という石柱に、この言葉が記されています。

 落語の「蒟蒻問答(こんにゃくもんどう)」では、江戸から流れてきた八五郎がニセ坊主になりすましている上州のある寺に、この戒壇石を見た「越前国永平寺の沙弥托善(しゃみたくぜん)」と名乗る旅僧が「問答をしたい」と言ってやって来るところから騒動が始まります。

 ニンニクなどとともに酒は仏教寺院に入れてはならないという意味。つまり、本来、仏教では「不飲酒戒」は「不殺生戒」や「不邪淫戒」などと同じ最も基本的な五戒の一つであって、飲酒は禁止されているのです。

 ただ、日本では落語の八五郎坊主だけでなく、本当のお坊さんでも酒を飲む人が多いようです(坊さんに大酒飲みが多いような気がするのは僕だけでしょうか?)。

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