大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第182回「歴代人口最少のW杯出場国キュラソー」(3)ワールドカップを狙う転機となった世界的な元韓国代表監督の一声「よければやるよ」の画像
インドネシア代表監督も務めたパトリック・クライファートらオランダ人監督が、キュラソー代表を率いてきた。撮影/中地拓也

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回は、「歴代人口最少のワールドカップ出場国」について。

■低予算を乗り越える知恵

 キュラソー・サッカー協会が豊富な資金源を持っていたわけではない。「オランダ選手の帰化」というと、思い起こすのは近年のインドネシアの躍進だが、こちらは個人資産80億ドル(約1兆2400億円)とされる実業家エリック・トヒル会長の財力で選手を誘っている。資金源を持たないキュラソー協会が考えたのは「有名監督の招聘」だった。監督の名前でスポーサーを獲得しようという意図だった。

 2015年には、オランダのレジェンドであり、キュラソーにルーツを持つクライファートが監督に就任、2020~2021年にはオランダが生んだ世界的名監督のフース・ヒディンクもキュラソー代表を率いた。そして現在は、やはりオランダの名監督ディック・アドフォカートが存在感を放っている。

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