サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回は、3本線の憎いやつ。
■ワールドカップ公式球の誕生
1960年代、「アディダス」はスポーツウェアにも進出、世界一のスポーツメーカーへと発展していく。そして1970年のワールドカップを機にFIFAに大きく接近するようになる。画期的な白黒ボールを開発、テレビ放送を大きく変えることになるアメリカの通信衛星の名から「テルスター」と名づけられたボールは、初めての「ワールドカップ公式球」となったのである。
それまで、ワールドカップの使用球は、それぞれの開催国のボールメーカーから提供されていた。たとえば1966年イングランド大会では、1881年創業、英国で最も歴史のあるスポーツ用品メーカーであるスラセンジャー社製の24枚のパネルを縫い合わせたボールが使われた。白、黄色、オレンジ色の3色が用意されたが、決勝戦で使われたオレンジ色のものが強く印象に残った。
アディダスの「テルスター」はワールドカップ使用球で初の「32枚パネル」のボールで、1968年のメキシコ・オリンピックでも使われ、好評を博していた。その結果を受け、FIFAはメキシコの組織委員会に任せるのではなく、初めて「公式球」として契約したのである。















