後藤健生の「蹴球放浪記」第299回「黒山羊を食しに世界遺産へ」の巻(2)韓国焼肉は厨房で「焼いてから出される」スタイル、石焼ピビンパなど「名物料理」は戦後生まれの画像
E-1選手権の韓国戦でシュートを決めきったジャーメイン良。この虎の子の1点を守り切って日本が優勝した。撮影/原壮史(Sony α1使用)
■【画像】金井山城では「マッコリ」も有名!黄色いラベルには…

 蹴球放浪家・後藤健生も、旅先で悩むことがある。食事がマンネリ化してしまうのだ。外食になるため、特に外国では無難なものを選びがちになる。だが、アジアで初めてワールドカップが開かれた年、蹴球放浪家は自分に難問を課した。地元メシによる自分の食事の「完全制覇」だ。

■山村で山羊肉と出会う

 もう、暗くなっていました。

 タクシーが村に到着すると、あちこちの店からおばさんたちが飛び出してきて、「うちに来い」と腕を引っ張ります。かなり、強引な客引きです。

 別にどこの店に行っても、変わりはないでしょうし、どこがいいのだか、情報もありません。あまりに強引な客引きは嫌だったので、ちょっと大人しい感じのおばさんについて行くことにしました。

 店(レストラン)というより、普通の農家のようなところで、その離れみたいな座敷に通されました。テーブルの上には大量の「パンジャン」(キムチなどのおかず類)が並べられましたから、それをつまみながらソジュ(韓国式焼酎)を飲んで待っていると、メインのフギョムソ(黒山羊肉)の皿が運ばれてきました。

 山羊肉は、沖縄を除く日本ではあまり食べる習慣がないようですが、中東や中央アジアなどではポピュラーな食材です。味はしっかりしていて、脂は少な目といった印象です。

 その黒山羊をつつきながら、またソジュのグラスに手が伸びます。こうして、山村の夜は静かに更けていきました。

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