ワールドカップ観戦の際に、ホテルや飛行機の予約など面倒ごとは多々あるが、開催国に到着したからといって安心はできない。なかでも「移動」はトラブルがつきもの。蹴球放浪家・後藤健生は、これまでの苦い経験から早くも来年のワールドカップ取材への対策を練っているが…。
■道に迷う運転手
カタール・ワールドカップの決勝戦が行われたのはルサイル・アイコニック・スタジアムでした。8万9000人ほどが入る最大のスタジアムです。
ここも、シャトルバスが便利でした。
ところが、大問題があって、どういうわけかこのスタジアムでは運転手が道に迷ってしまうという事件が頻発したのです。
カタールには高速道路が縦横無尽に走っていて、車の量に比べて道路が(無駄に)広いのでワールドカップ期間中にも渋滞することはほとんどありません。ですから、スタジアム近くまでは何の問題もなく到達するのです。
ところが、そこからシャトルの停車場に行くルートでいつも運転手が道を間違えるのです。そのうち、バス前方に座っている乗客が騒ぎ出し、「右だ、左だ」と運転手にどなるので運転手はますますパニックにはまるという悪循環が起こり、バスはスタジアムを横手に見ながら何周も走って、ようやく到着するのです。
いや、とうとうスタジアムに到着することができず、近くの路上で乗客を降ろしたことさえありました。













