■「競い合わせて、どちらかが出ないのはもったいない」

「シーズンはじめは、左サイドバックで考えていたんです。でも、大森(渚生)のパフォーマンスがすごくよかった。競い合わせて、どちらかが出ないというのは自分の中では、ちょっともったいないなというところがありました。

 大崎の運動能力やロングスロー、空中戦の強さなどいろんなところがあって、さらにチームのためにハードワークができる。

 自分のボランチ像に重なる部分があった。代表のボランチを見ても積極的に守備をして、68m(サッカーコートのゴールライン=横の長さ)をカバーしたり、ボックスtoボックス(自陣のペナルティエリアから相手側のペナルティエリアまでをプレーエリアにする)で出ていく。

 彼にはそういう能力があると思っていたので、試したかったというところがありました。

 その中で自分の期待に応えて、サイドバックや3バックの左だったり、ポジションにこだわらず、試合に出るためにボランチの勉強をした。ボランチで生きるために何をしないといけないかを整理して戦ってくれたことが大きかったと思います」

――大崎は今季の水戸の象徴だと感じています。

「あそこは分岐点かもしれないですね。大崎と(鷹啄)トラビスに関しては。自分で言うのもなんですが、ファインプレーだと思っています」

 大崎がボランチとして最初に出場した試合は、4月12日の第9節の北海道コンサドーレ札幌戦からである。試合は3-1で水戸が勝利した。大崎は、札幌戦の前の練習試合でボランチを試されている。

 そこで安定したプレーを見せたので、札幌戦でボランチとしてスタメン出場したのである。また、大崎がボランチに起用された理由は、もう一つあった。

つづく

  1. 1
  2. 2
  3. 3