サッカー日本代表の年内の活動が終了した。締めくくりとなる11月シリーズの2試合は、来年のワールドカップ本大会に向けて、何を日本代表にもたらしたのだろうか。サッカージャーナリスト大住良之と後藤健生が、徹底的に語り合った!
■ブラジル戦「後半の熱量」と比べると…
――新しい何かの上積み、あるいはワールドカップ本大会から逆算しての課題など、今回の2試合は日本代表にとって、どのような位置づけになったのでしょうか。
大住「僕としては正直に言って、国際試合の日程通りに試合をしただけ、という感じかな。チームにとっては、集まって一緒にやる良いチャンスだったと思うけど、ゲーム内容は2試合とも、もうちょっとテンションを上げられないのかな、と感じるものだった」
後藤「僕は違う考え方だなあ。もちろん、あまり良い内容ではなかったし、熱量みたいなものはなかった。ブラジル戦の後半の熱量に比べたら、やる気があるのかなと感じるくらいの試合だったけど、それはある程度しょうがないことだよ。ブラジル相手とガーナ、ボリビア相手では、そりゃあ人間なんだから気持ちの入り方も違うでしょう。それでも2-0、3-0できちんと勝てちゃうんだよね。それに今回は、しっかり分析したうえで、相手がやりたいことをどうつぶすかという守り方をきちんとやって勝った」
大住「個人頼りじゃなくて、もっとチームとしてやろうというので、ああいう戦い方になったよね」
後藤「ガーナは後ろを5人で守って、トップのアントワヌ・セメンヨにロングボールを入れて何とかしようとしていた。日本はそれを最初から分かっていて、谷口彰悟がセメンヨにべったりとマークについていたんだよね。セメンヨが左右に逃げたり後ろに下がっても、谷口がついていく。ガーナは打つ手がなくなって、ポジションチェンジをしてみたりしたけど、どうにもならなかった。
ボリビアは日本相手にもボールをつないで勝負してきたけど、日本の前線の3人が非常にうまく対応した。南野拓実と久保建英がCBに寄せて、ボランチを小川航基が見るという形がきちんとできていた。相手がどうやってくるのかを全部分析して、それに対応するということをやっていた。ふだんからプレーしている単独チームのように緻密に。これまでと違うことを始めていたので、次のレベルに入っていったのかなという気がした」








