■成功している「日本からのタレント移入」と…

 世界のサッカーでは、中小のプロクラブの「生きる道」は育成であるというのが常識である。入場料収入、スポンサー収入、そして放映権収入などで大金を得ることは期待できない。選手を育て、彼らが生む移籍金でなんとか経営していくのである。

 だがベルギーは国が小さく、鉄道や道路も発達していて、都市間の移動が容易。才能のある少年は首都ブリュッセルやブルージュなどの大きな都市のクラブの育成組織に集まってしまい、財政規模の小さな地元クラブはタレントを集めるのが難しい。そうしたなか、日本からタレントを移入してプレーさせ、数年でビッグクラブに移籍させながらチームを運営していくというシントトロイデンの手法はうまく進んでいると言っていい。

 DMMが経営権を獲得して以来、シントトロイデンは1部の地位を保ち、今季は現在まで14節を終了して7勝3分け4敗、勝点24で16クラブ中4位という好位置につけている。ベルギーリーグは全30節のレギュラーシーズンをおこなった後、上位6クラブで優勝を争うプレーオフが行われるが、その出場を目指して、日本人選手たちが奮闘しているということになる。

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