蹴球放浪家・後藤健生には心配なことがある。サッカー取材に必要なものが、消えようとしているのだ。デジタル化の波、はたまた、その他の理由で国内外から消えつつある、取材のマストアイテムの「不在」を憂うとともに、その紙を手に入れるための「冒険」を振り返る!
■苦労した「日本招待」のコパ・アメリカ
1999年に、日本代表がコパ・アメリカに招待されたことがありました。パラグアイでの大会で日本はペルー、パラグアイに完敗。最終戦でボリビアと引き分けただけで、グループリーグ敗退に終わりました。
この大会では、試合前にメンバー表を手に入れるのに苦労しました。メンバー表はあることはあるのです。実際、持っている人もいました。
ただ、メンバー表はどこか決まったところに置いてあるとか、記者席で配ってくれるという方式ではないのです。メンバー表のコピーを持っている係員からもらうのですが、その係員がどこにいるかが分からないのです。たまたま、通りかかった係員から受け取ることもあれば、遠くにその係員がいるのは分かっていても混雑のために近づくことができないこともありました。









