【2025年J2「第35節」ジュビロ磐田vsV・ファーレン長崎「徹底分析」】磐田、“長崎の攻撃の脅威”マテウス・ジェズスを完封 順位争いは混沌…次節・水戸のJ1昇格も【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
長崎はMFマテウス・ジェズスが抑えられた  撮影/中地拓也
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■磐田が長崎の不敗記録を止める!

【J2リーグ第35節 11月2日 14時03分キックオフ 磐田 1ー0 長崎 ヤマハスタジアム】

 J1昇格争いを演じているジュビロ磐田が、思い切った戦術変更で勝利を手繰り寄せた。J2リーグ35節が11月2日に行なわれ、8位の磐田は2位のV・ファーレン長崎をホームに迎えた。

 16戦負けなしの相手を迎えた一戦で、磐田の安間貴義監督はシステムを変更した。今シーズン初めて3バックを採用したのである。前半はウイングからウイングバックへポジションを下げた倍井謙が右サイドで劣勢を強いられたが、後半は対面するMF笠柳翼にほぼ仕事をさせなかった。

 長崎と対戦するチームは、「MFマテウス・ジェズスをどう抑えるか」という難問に直面する。磐田は3-1-4-2のシステムを敷き、2トップの背後に立つ2人にボランチの金子大毅上原力也が指名された。アンカーの中村駿と金子、それに左CBヤン・ファンデンベルフがつねに目を光らせ、マテウス・ジェズスを時間の経過とともに流れから消していった。サイドからのクロスに合わせてスルスルとゴール前へ入ってきたり、ミドルレンジから強烈な左足シュートを浴びせてくるマテウス・ジェズスの特徴を、この日はほぼ封印することができていた。

 前半終了直前にPKで先制した磐田の安間監督は、71分に3枚替えをする。上原に代えてMF角昂志郎を投入した。パスでゲームをコントロールする上原から、2トップにうまく関わりフィニッシュも鋭い角へのスイッチである。システムは維持しながらキャラクターの異なる選手を送り込むことで、長崎にプレッシャーをかけ続けた。

 最終盤には倍井を下げてDF川口尚紀を送り出し、前線に高さのある選手を並べてきた相手のパワープレーを封じた。磐田は1対0のまま逃げ切り、価値ある勝点3をゲットしたのだった。長崎はおよそ5カ月ぶりの敗戦で、不敗記録が16で途切れた。

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