■「水戸は僕が出たり、監督が出たりしますね」

林 確かに、他のチームは監督とセットプレー担当のコーチしか出ないんですが、水戸は僕が出たり、監督が出たりしますね。
 また、セットプレーのときは攻撃、守備それぞれの担当コーチが出たりします。僕が出るときは攻撃に関して、監督が出るときは守備に関してのときですね。

――林コーチは言いにくいかもしれませんが、私は森監督を見ていて、選手選考に関して「平等」な人だなと思うんです。「選手の評価に一貫性」があるように映る。決して「結果論」では、その選手を評価しない。まあ、私はチームの中に入って実際に森監督のふるまいを見たわけではないんですが…。
 たとえば、ある選手が試合中に「ミス」をしたとします。その「ミス」は「技術が追いつかなかったミス」なのか、「状況判断を間違ったミス」なのかによって違ってくるはずなんです。いや、違わないとおかしいんです。
 つまり、「ミス」したとひとくくりにしてしまうと、単なる「結果論」での評価になってしまう。先ほど林コーチが話していましたけど、「ボールを前に出せ」と言われて出したパスがミスになってしまった場合、チームコンセプトを実行したけど、技術的にミスしてしまったとなる。この選手は次も試合に使われる可能性があります。一方で、「ボールを前に出せ」と言われてパスを出さないでボール保持をして「ボールを運ぶ」こともしなかった。その選手はチームコンセプトを理解していないか、自分のやりやすいほうに舵を切ったことになるので、試合には使われない。
 選手にとっては明確な基準だと思うんですね。選手からすれば、監督に求められていることに全力で取り組んでいけば、答えは出てくるわけですよ。
 もうひとつ森監督の指導力として「選手に健全な競争力を持たせる」ことだと思います。移籍してきた選手を戸惑うことなく起用してきたときに、私はそう感じました。
 森監督が感情的な人かどうかわからないんですが、少なくとも自分の感情に左右されて判断基準を間違うような人ではないと思います。まあ、試合後の監督会見の受け答えを見て、私はそう思っているんですが…。

林 直接、森監督に尋ねてみたら、どうでしょう?

  1. 1
  2. 2
  3. 3