悲願のJ1昇格へ(3)「1試合平均1.5点を奪う」水戸ホーリーホック林雅人コーチが語る今季の目標、繰り返される死闘の果てに「目標を実現できたら自動昇格が見えてくる」の画像
林雅人コーチが「攻撃担当コーチ」として支える水戸ホーリーホック森直樹監督。撮影/重田航

 J2リーグも残り5試合。第33節、首位の水戸ホーリーホックが3位のジェフ千葉に敗れ、首位を陥落した。『サッカー批評』では、悲願のJ1昇格へと気合いを入れ直した水戸・森直樹監督を支える林雅人コーチを直撃。2025年に水戸へと加入した林コーチは、日本体育大学を卒業後、オランダで選手として、コーチとして活躍。その後、中国女子プロリーグ1部の監督、FC今治のアカデミーダイレクターなどを務めた後、現在、水戸で「攻撃担当コーチ」として活躍している。
 J1リーグ昇格に向けて多忙を極める林コーチに、一般的には、そこまで知られていない「攻撃担当コーチの役割」も含めて、水戸ホーリーホックの「攻撃面」、そして「現在地」について語ってもらった! 最終回の第3回では、首位奪還と下位チームの猛追への対処から!(全3回/第3回)

■「うちが全チームのターゲットに」

――実際に第27節のサガン鳥栖戦では、鳥栖は水戸の基点となるサイドを潰しに来ていましたね。サイドにボールが出されるのを予測して、インターセプトを何度も試みてきた。相当に分析してきていますよね。

林 相手チームは水戸をものすごく分析しています。首位の間、うちが全チームのターゲットになっていました。相手チームはうちと対戦する際、目の色が違ってましたからね。ジュビロ磐田も、サガン鳥栖も、レノファ山口も、大一番のような姿勢で挑んできた。
 どの試合も攻撃は比較的、狙い通りにゲームの中では進んでいるんですが、夏の期間は暑さもあって体力の消耗も激しかった。前へ前へと推進して行きたいんですが、選手の疲労もあって、ここではもうちょっとボールをキープさせたほうがいいのか、それとも前に運ばせたほうがいいのか、葛藤する場面もありましたね。
 鳥栖戦のときですが、守備に回る時間が長くなると体力的にも精神的にも削られていく。サッカーはメンタル面も大きく左右するスポーツでもあるので、逆に、うちが相手を揺さぶって横に広げてボールを回す時間を作れれば、攻めている状態になる。押し込まれていないと感じると、気持ちも少し楽になって、ゲームを進めることができる。そう考えて、鳥栖戦では前にいくだけではなく、相手を揺さぶることも入れましたね。

――監督がサイドラインに出てくるチームはよく見かけるんですが、水戸はいろんなコーチが出てきますよね。

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