
■規格外の「個」マテウス・ジェズスが2得点に絡む
【J2リーグ第32節 10月4日 14時00分キックオフ 千葉 0ー2 長崎 フクダ電子アリーナ】
J2屈指のタレント軍団が、不敗街道を突き進んでいる。
J2リーグ第31節が10月4日、5日に開催され、2位のV・ファーレン長崎は4日、3位のジェフユナイテッド千葉と敵地で激突した。勝点1差の6ポイントマッチである。
長崎の試合は、ひとりの選手を中心に動いていく。MFマテウス・ジェズスだ。
マテウス・ジェズスを擁する長崎は、「いかにして彼に時間とスペースを与えるか」を考える。対戦相手は、「いかに彼をフリーにしないか」に腐心する。長崎を攻略するゲームプランを突き詰めると、マテウス・ジェズスをいかに抑えるのかに行き着くのだ。得点ランキングと総シュート数でリーグトップを走り、スルーパス総数でも2位のマテウス・ジェズスは、J2では規格外と言っていい「個」なのである。
果たして、この日もゲームを動かしたのは彼なのだ。
0対0で迎えた前半終了間際だった。自陣センターサークル手前でパスを受けたマテウス・ジェズスが、ドリブルでボールを運んでいく。追いすがる選手を巧みなコース取りで寄せつけず、別の選手が間合いを詰めてきたところで、左から並走するFWエジガル・ジュニオへパスをつなぐ。マテウス・ジェズスのパスは外へ流れてしまったが、ペナルティエリア内左からエジガル・ジュニオがゴール前へ送ったクロスが、右ポストを叩いてゴールへ吸い込まれた。
長崎からすれば、ラッキーな得点だったと言える。千葉にとっては不運な失点だっただろう。ただ、長崎はふたりのブラジルで4人の守備陣に挑み、カウンターを完結させて先制してみせた。マテウス・ジェズスという「個」の圧力は、それぐらい凄まじいものがあるのだ。