ヨーロッパ中堅国よりレベルの高い「日本のサッカー」、1999年大会を超える「高み」へ、ラウンド16で戦う強豪国の「隙」【サッカーU-20日本代表「ワールドカップ快進撃」の舞台裏】(3)の画像
佐藤龍之介らUー20日本代表は、まだ見ぬ高みを目指す。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 サッカーU-20日本代表が、南米チリで開催中のU-20ワールドカップで決勝トーナメントへ進んだ。3戦全勝、しかも無失点でのベスト16進出には、今年2月のU-20アジアカップのときよりも格段の成長がうかがえるというのは、サッカージャーナリストの後藤健生。約半年で、チームを劇的に進化させたものは何か? 強豪フランスとベスト8入りをかけて戦う若きサムライブルーの「快進撃」の理由、そして、今後の「伸びしろ」も含めて徹底解析する!

■国内リーグでの「出場」が成長を後押し

 そのほか、今シーズン、J1リーグに昇格して躍進したファジアーノ岡山の攻撃の中心を担ってきた佐藤龍之介も、やはり積極的にゴールに向かっていく姿勢を身につけている。

 Jリーグというリーグは、もちろんヨーロッパのいわゆる「5大リーグ」にはまったく及ばないものの、その他のヨーロッパの中堅国のリーグと比較してもかなり高いレベルにある。しかも、上位チームと下位チームとの差が小さいだけでなく、J2やJ3という下部リーグでもトップ・カテゴリーと同じようなクオリティーのサッカーを目指しているのも日本のサッカーの面白いところだ(どこまでそれが実現できているかは別として)。

 いや、Jリーグより下の日本フットボールリーグ(JFL)でも、関東リーグなどの地域リーグでも、ヨーロッパの下部リーグにありがちなロングキックの蹴り合いとか、延々続く肉弾戦といった試合はない。

 そんな国内リーグで出場機会を得ていることが、20歳以下の選手たちを成長させているのだろう。

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