■新監督の3強「まだ本調子には遠い面も」
18歳の眞城は最も注目すべき若手選手だが、浦和にも16歳(10月で17歳)の注目選手が現われた。
4-1-4-1のアンカーを任されている平川陽菜だ。角田の海外移籍でボランチのポジションに空白ができた浦和。そのショックなのか、9月6日のマイナビ仙台戦では1対2の敗戦を喫してしまったが、その後半から堀監督は平川をアンカーで起用。その後のエルフェン埼玉、I神戸の試合では平川は先発で起用された。
非常に柔軟な動きができてボール扱いが正確で相手からボールを隠すようにキープするのがうまく、なかなかボールを失わない。しかも、このポジションでのプレーに慣れてきたのか、I神戸戦では守備面でも素晴らしい活躍を見せた。
相手の狙いを察知してタイミングよく体を寄せてボールを奪い切ることができるのだ。無理なタックルなどせずに立ったままでボールを奪え、しかもキープ力が高いから、奪ったボールを確実に攻撃につなげることができる。
角田楓佳の海外移籍で平川がポジションを与えられたように、最近は女子サッカーでも若い選手がどんどん海外クラブに移籍するようになっており、男子と同じように日本代表の大半が海外組という状況になっている。
そして、海外移籍した選手のポジションを埋めるために若い選手に出場機会が与えられ、それが若手の成長につながるサイクルが出来上がりつつある。
こうして、今シーズンも“3強”中心の展開で昨季以上にゴールが量産されているWEリーグだが、新監督を迎えた各チームはまだ本調子には遠い面もある。
たとえば、I神戸が相模原に大勝した試合でも、前半の途中からは相模原の前からのプレスを受けてパスをつなげなくなってしまった時間帯もあった。もし、相模原に決定力のあるFWがいたら、勝敗はどうなっていたか分からない。
つまり、I神戸には、まだ、ハイプレスをかわすだけのオートマティズムがまだ確立されていないのだ。
だから、“3強”にはまだまだ伸びしろがある。新監督の戦術が浸透していけば、“3強”の攻撃力はさらに上がっていくに違いない。今後の戦いに注目したい。









