■より「難しい立場」にある新監督
楠瀬監督は2021年に浦和の監督に就任して、それまで日本の女子サッカー界をリードしてきたベレーザやI神戸と互角に戦えるまでに強化した。
だが、もともと選手として読売サッカークラブでプレーし、ヴェルディユース(U-18)の監督も務めたこともある指導者だから、今季は女子監督としてヴェルディに「復帰」した形になる。新シーズンは、昨年のWEリーグで松田岳夫監督(現セレッソ大阪ヤンマーレディース監督)の下で優勝したチームを受け継ぎ、そこに塩越などの新戦力を融合させることでチームづくりを進めることができる。
より難しい立場にあるのが楠瀬監督退任後にチームを引き継いだ浦和の堀監督だ。
浦和の監督交代の背景について僕は何も知らないが、形としては外様である楠瀬氏を外してレッズ生え抜きの堀氏が起用されたという結果になった(堀氏は、新シーズンも継続して監督を務めることになった)。
浦和では、今季開幕前にサイドバックを務めていた遠藤優もイングランドのウェストハム・ウィメンに移籍。さらに、若手MFとして活躍を期待されていた角田楓佳も、今シーズンのリーグ開幕後の9月になって同じくイングランドのブライトン&ホーブ・アルビオンに移籍してチームを離れた。
こうして、浦和は就任したばかりの堀監督の下で、主力が何人も抜ける形で新シーズンを迎えることになった。