■いずれも「新監督の下」での開幕

 ご承知のように、2021-22シーズンにスタートしたWEリーグは、過去4シーズンいずれも上記の“3強”が1位から3位までを占めてきた(優勝は浦和が2回、I神戸、ベレーザが各1回)。それだけに、現在の“3強”の上位独占は当然と言えば当然の結果である。

 ただ、今シーズンは、“3強”のいずれも新しい監督の下での開幕だったので、多少は不安を抱えていた。

 昨シーズン終盤のことだ。優勝争いをしていた浦和が、それまで指揮を執っていた楠瀬直木監督を解任し、堀孝史を後任監督とした。

 AFC女子チャンピオンズリーグ準々決勝で中国の武漢江大に敗れたのがきっかけだった。

 武漢江大戦では延長までの120分間、浦和がボールを握って攻撃を続けたが、武漢江大にうまく守られてスコアレスドローに終わり、PK戦で優勝候補の浦和は姿を消した(武漢江大は同大会で優勝)。

 いずれにせよ、リーグ戦の終盤に入って監督が交代したことは、チームにとって大きな打撃となったようで、浦和はその後、失速して3位に終わってしまった。

 そして、浦和を退任した楠瀬監督は、シーズン終了後、ライバルであり、昨季の優勝チーム東京ヴェルディベレーザの監督に就任。さらに、浦和で攻撃的MFとして中心選手だった猶本光と塩越柚歩の2人も、楠瀬監督を追うようにベレーザに移籍していった。

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