
サッカー日本代表のアメリカ遠征が終わった。第1戦はメキシコ代表と0-0で引き分け、第2戦はアメリカ代表に0-2で敗れた。来年のワールドカップ開催国との「2連戦」という貴重な機会に、残念ながら無得点に終わった日本代表は、どのような収穫を得たのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生がアメリカ戦後、徹底的に語り合った!
■遠藤も久保も堂安もいなくても…
大住「アメリカ戦で良かったことをさらに挙げるなら、遠藤航も久保建英も堂安律も先発しなかったけど、出た選手たちがプレーできていない、戦えない、というわけじゃなかったんだよね。ある程度はできる。だけど試合運びが難しい状況になったときには、なかなか対応できなかった。ということは、今回のように2試合で先発を総入れ替えしないで、半分くらい変える程度で経験ある選手も入れて試合をコントロールできれば、崩れはもっと小さくなったし、当初の勢いが消え失せて押し込まれる試合にはならなかったような気がする。ワールドカップではこんなふうに11人を入れ替えるなんてことはあり得ないので、良いシミュレーションになったんじゃないかと思うけど」
後藤「最初は皆、味方同士でお互いに何をするのか分かっていない感じがあったんだけど、20分くらいたった頃かな、こうやればいいんだなとつかむ対応力は見えていた。ただ、失点を境に押し込まれて機能できなくなったという、非常に分かりやすい試合だった」
――チームとして、フォーメーションを変えるなど変化は加えていました。
後藤「後半から4バックに変えて何とかしようとしたけど、前半に足を痛めた長友佑都がいなかった。本職のサイドバックがいない状態で4バックを試してもねえ…。伊藤洋輝や冨安健洋はサイドバックもできるから、どちらか1人だけでも来年には戻ってこられるといいな」
大住「1人でいいの?」
後藤「2人とも戻ってくれば一番いいけど、どちらでもいいからいてくれれば、3バックから4バックに、あるいは、その逆のシステム変更を選手交代せずにできる。あと、4バックを試すなら、フルメンバーで戦ったメキシコ戦でやってほしかった」
大住「そうだよね。アメリカ戦では前半のなかば過ぎからの様子を見て、このままじゃいけないから攻撃的にしようと思ってシステムを変えたんだろうけど、まったくうまくいかなかったね」