
世界的な人気を誇るバルセロナとACミランの「国内リーグ公式戦」が、初めて国外で開催されることになった。開催地であるアメリカ、オーストラリアの人々にとって、憧れのチームの真剣勝負を生で観戦できる絶好の機会だが、サッカージャーナリストの大住良之は、この開催には「大きな危険」をはらんでいると警鐘を鳴らす。どういうことか?
■ラ・リーガ「公式戦」をアメリカで開催
8月11日、スペイン・サッカー協会(RFEF)は、ラ・リーガ1部のビジャレアルとFCバルセロナから出されていた両クラブのリーグ戦(ビジャレアルのホーム)をアメリカのフロリダ州マイアミで開催する申請を承認したと発表した。実現すれば、欧州の国内リーグの試合が外国で開催される初めてのケースになる。
世界のサッカーを統括する国際サッカー連盟(FIFA)には「国内リーグの試合は自国のサッカー協会の管轄区域内で開催する」という規則がある。もっともこの規定はさまざまな圧力で見直しを迫られているというが、まだ結論を得ていないので現時点では規則自体は生きている。
RFEFの承認は9月11日に欧州サッカー連盟(UEFA)で協議されるが、UEFAだけでなくアメリカ・サッカー協会(USSF)、そしてもちろんFIFAの承認がなければ、試合を実現させることはできない。まだまだ予断を許さない状況だ。