■来年からの「秋春制」移行で8月開幕に
Jリーグは2026年から秋春制に移行することになっている。8月開幕となるらしいが、8月の猛暑の中の試合は極力避けるべきではないか。今年の高温は異常気象ではなく、気候変動を考えれば、高温傾向はこれからも続くはずだ。現在は最高気温30度以上を「真夏日」、35度以上を「猛暑日」というが、これからは35度以上が「真夏日」と呼ばれるようになるだろう。
今年は、豪雨や雷雨による試合の中心がほとんどなかった(それだけ、「晴れ」状態が続き、気温がさらに上がった)。だが、昨年は多くの試合が雷雨によって中止や中断となって、影響が大きかった。その意味でも、8月開幕は混乱を生じさせかねないのだ。
今年の夏には、従来8月に行われていたSBSカップ大会がなくなっていた(12月開催に変更)し、高校総体の中止あるいは開催時期変更も論じられている。日本では8月に屋外スポーツを行う環境ではなくなってきているのだ。秋春制移行も良いきっかけになる。8月に試合を行うのは止めるべきではないのだろうか。
9月に入ると、J1リーグでも19時キックオフの夜間試合だけではなくなり、16時、17時開始のいわゆる“薄暮試合”も出てくるが、長期予報では猛暑は9月いっぱい続きそうだ。まだ日のある16時、17時開始の試合は相当な暑さとなる可能性がある(試合開始時刻を変えることは難しいのだろうか?)。
8月31日も、等々力でのナイトゲームの前に、横浜市内で日本フットボールリーグ(JFL)の15時開始の試合を観戦したのだが、ピッチ上には日陰の部分がまったくない状態で、公式記録によれば気温が34.3度になっており、試合中には熱中症で観客が救護される場面もあった。
落雷によって死者が出る事故が起こったことで、最近は雷が鳴ると試合がすぐに中断されることが多くなっている。熱中症による死亡事故などが起こる前に、高温下での試合開催の是非を論じておくべきだろう。