
ピッチ全体で計20本のパスをつないだ末に生まれた、美しいゴールが再び注目されている。
8月23日にヨドコウ桜スタジアムで行われたセレッソ大阪対ヴィッセル神戸の“阪神ダービー”でのゴールだった。試合開始直後から、C大阪は低い位置から丁寧にボールをつないで攻撃を仕掛け、対して神戸はハイプレスからのショートカウンターとロングボール主体の速い攻撃で対抗するという展開となった。
その中で迎えた前半35分だった。神戸のクロスボールをゴール前でキャッチしたGK福井光輝からボランチの田中駿汰へとつないで、C大阪の攻撃がスタート。そこから右サイド、さらにGKを経由して左サイド、そして流動的に動くボランチを巧く使って神戸のハイプレスをかい潜りながら、自陣内で巧みなパス交換を続けた。
そして17本目のパスで相手陣内に侵入すると、右サイドのスペースを突いたMF吉野恭平から、ルーカス・フェルナンデスにスイッチしてスピードアップ。今季アシスト王を独走するブラジル人MFが、逆サイドの裏のスペースに絶妙の浮き球のパスを送ると、ポケット部分で追いついたMF本間至恩が、相手DFを引きつけた後にマイナス方向へ優しいパス。これが連続20本目のパスとなり、最後はボックス内に待っていたMF香川真司が左足ダイレクトでゴールに叩き込んだ。