■ベッケンバウアーと「プレー」

後藤「世界的に見ても、あれだけの選手はいないもんね。日本でそれほどサッカーが盛んじゃない時代にああいう人が出てきたんだから、これだけサッカー人口が増えたんだから、そろそろ第2の釜本に出てきてほしいよね」

大住「もしかしたら現代のサッカーの傾向が、そうなり得る才能をつぶしているのかもしれないし。釜本さんは日本リーグで251試合202得点と、1試合平均で0.7点くらい取っている。Jリーグなら、2試合に1点取るくらいの決定率でも得点王になれる。そう考えると、本当にすごい人だったと思う。当時の日本代表は、今のように世界各国の代表チームと対戦することは難しかったけど、もしも今のようにいろいろな代表チームと対戦しても、釜本さんの得点力は落ちなかっただろうと言われている」

後藤「当時はヨーロッパや南米の代表チームとは試合ができなかったけど、アーセナルやパルメイラスといった一流クラブと試合をして、釜本さんも点を決めていたよ」

大住「日本のファンにとって残念なのは、釜本さんにもドイツに行くチャンスがあったのに、体調を崩してブンデスリーガに挑戦できなかったことだよね」

後藤「どこの国のどんなクラブに行っても、絶対にうまくできたはずだよね」

大住「当時のブンデスリーガで伸び盛りだったバイエルン・ミュンヘンで、釜本さんがフランツ・ベッケンバウアーやゲルト・ミュラーと一緒にプレーしていたら、本当にすごいことになっていたと思うけどね」

(6)へ続く
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