■見落としを防ぐ「2人主審制」
もう一つの解決法は、選手が倒れた場合、プレーを止めさせるべきか否かを第三者が判断するようにすることだ。
その役割をする人物を、たとえば「メディカル・アシスタント・レフェリー」(MAR)と呼ぶことにしよう。何らかの医学的知識を持った審判である。
選手が倒れた場合、まずそのMARが駆け寄って選手の状態をチェックする。そして、直ちにプレーを止めて治療する必要があると判断した場合には、レフェリー(主審)にプレーを止めるように連絡して、レフェリーが笛を吹いて試合を中断する。
一方、選手が単に痛がっているだけでそのまま放置していても問題ない、あるいはアウト・オブ・プレーになるのを待っていても大丈夫という場合は、プレーを続行させる。
こうすれば、プレーが中断する場面はかなり減るのではないか?
もう20年くらい前のことだが、「2人主審制」のテストがイタリアで行われたことがある。
同格のレフェリー(主審)を2人置いて、基本的にピッチの片側ずつを所管させるのだ。レフェリーが2人いることによって、一つのプレーを両側から見ることで「見落とし」を防ぐこともできる。
結局、2人のレフェリーの間で判定基準が違っていることが多く、この試みは失敗に終わったのだが、その2人主審制のテストが行われていたコッパ・イタリアの試合を、たしかローマのスタディオ・オリンピコでだったと思うが、観戦したことがある。
2人の主審の間のコミュニケーションが難しそうだったり、判定基準にバラつきがあったりで僕もあまり良い印象は受けなかったが、ただ、選手が負傷した場合に主審の1人がすぐに駆け寄って、選手の状況をチェックしてプレー続行か、中断かを判断してできるのは2人主審制の良さだと思った。
だから、それを発展させて、医学的知識を持ったMARを置いたらどうかというアイディアを思いついたのである。








