■1万ウォンが「最高額紙幣」だった時代

 そんな韓国で5万ウォン紙幣が初めて出回ったのは、2009年のことでした。それまで、最高額紙幣は昔は1万ウォンだったのです。

 当時はまだキャッシュレス時代ではありませんでしたし、海外の信用カードは使えないことが多かったので、当面の生活費は現金で持ち歩く必要がありました。しかし、最高額紙幣が1万ウォンということは、1万ウォン札を10枚以上持ち歩く必要があるということです。

 それで、油断していると財布の中は1万ウォン札と小銭でいっぱいになってしまいました。

 それが、今では紙幣など(Tマネーのチャージ以外には)必要なくなってしまったのです。

 そういえば、今年の2月にU-20アジアカップ観戦に行った中国広東省の深センも完全キャッシュレスでした。

 深センでは、どんな支払いでも支付宝(アリペイ)を使いました。

 初日に、スマホを海外ローミングのまま使っていたら、アリペイが使えなくてかなり困りました。つまり、現金(人民元)は持っていたのですが、現金が使えないことが多かったのです。

 たとえば、深センの交通系ICカードの「深セン通」を買うのには現金が使えず、駅員に現金を渡して彼女の個人的なアリペイで購入してもらいました。

「アリペイ使えなかったら、どうしようかなぁ……」と思っていましたが、スマホを現地SIMに切り替えたらすぐに使えるようになり、その後はとうとう一度も現金を使うことがなくなったというわけです。

PHOTO GALLERY ■【画像】ハングル文字を作った「大王」が描かれた1万ウォンの「旧札」
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