後藤健生の「蹴球放浪記」第274回「韓国好きは大久保育ちだから?」の巻(2)対戦成績で大きく「負け越し」、韓国に持つ「敵愾心」と死ぬまで愛用した「スプーン」の画像
北中米ワールドカップでも、ライバル韓国よりも日本が上に行くことを願ってしまうのだろう。撮影/中地拓也

 蹴球放浪家・後藤健生は現在、韓国にいる。E-1選手権の取材は終了したが、放浪は延長戦に入っているのだ。韓国を歩きながら、「日韓サッカー」と「生まれ育った町」に思いを馳せる。

■「コリアンタウン」大久保

 柏木4丁目に住んでいた僕にとって、最寄り駅は中央線(総武線)の大久保でした。大久保駅や山手線の新大久保駅は、柏木のひとつ北側の百人町にあります。

 大久保駅と新大久保駅の間は、今では「コリアタウン」として知られており、多くの韓国レストランや韓国エステなどがひしめくことで有名なエリアです。大久保の通りを歩けば、そこらじゅうの看板にハングルを見ることができます。

 そして、大久保エリアには最近、韓国だけでなく、東南アジア各国の店も非常に多いようです。

 もっとも、僕が子どもの頃の大久保~柏木は、高層ビルはおろか中層ビルもほとんどない住宅街でした。

 ただ、ほかの町と違っていたのは新宿の夜の商売に携わっている人(つまり、夕方くらいに着飾って出勤していく女性たち)が多く住んでいたこと。そして、アジア各国の留学生たちが住んでいたことでした。

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