■日本より先に敗退で「安心」

 ところが、僕はサッカー好きでした。

 初めて見た日韓戦は1967年10月のメキシコ・オリンピック予選で、当時、日本代表は東京オリンピックのために強化されており、韓国とエキサイティングな点の取り合いを展開して3対3の引き分けでしたが、その後はずっと韓国に勝てない時代が続きました。

 現在も、日本代表が韓国に対して対戦成績で大きく負け越しているのは、1950年代末から1970年代にかけてずっと負け続けていたからです。

 だから、サッカーのことになると、僕は韓国に対して敵愾心を持っています。ワールドカップなどで、韓国が日本より先に敗退してくれるとホッとするのです。日本がどこで敗退しようが、韓国よりも上まで行ければ、それでとりあえず安心するというわけです。

「相手の国や国民に対しては親近感を抱きながら、スポーツの勝敗に対してはこだわりがある」というのは、実は理想的な状態のような気がします。ワールドカップのときには、韓国人のほとんどの人は日本の早期敗退を願っているでしょうが、これも当たり前のことです。スコットランド人が、イングランドの敗退を願っているのとまったく同じです。

 ただ、それが国や国民、民族として排他的な感情につながることは絶対に許すべきではないと思います。

 では、しばらく韓国滞在を楽しんで帰国したいと思います。

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