■後半の流れを決めた「判定」

 実際、連戦(川崎は中2日)の疲労のせいなのか、川崎の守備陣は集中を欠いていた(格の違いを見せていた高井も、立ち上がりにパスミス。鹿島の鈴木優磨がゴール正面でパスをカットしたが、シュートがわずかに右に外れた)。 

 なにしろ、鹿島の鬼木監督は、川崎の選手たちのストロングポイントもウィークポイントも熟知している指揮官だ。ポゼッション勝負では、川崎を上回ることは難しいと判断してロングボールとカウンターに活路を見出そうとしたのだろう。

 こうして、アウェーの鹿島が先制したものの、川崎は慌てることなくその後もパスをつないで攻撃を続けた。とくに前半の最後の時間帯は、鹿島陣内深くに押し込んで猛攻を続けた。

 山田のヘディングをGKの早川が片手でセーブするなど、鹿島は必死で耐えていたが、45+4分に川崎は同点とする。山本が蹴った右CKがファーサイドにこぼれたところを伊藤がボレーで決めたものだ(ゴール前に川崎の選手が残っており、オフサイドの可能性もあったが、VARのチェックでゴールが認められた)。

 前半のうちに同点となり、しかも鹿島の選手たちがこのゴールの判定に不満を持ったことが後半の展開につながっていく。

(2)へ続く
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