■オランダ代表の「スター」招聘

●インドネシア(過去出場1回)

 2022年大会の出場国が3つも入って「死の組」と言われたC組の台風の目となったのがインドネシアだ。3次予選開始時のFIFAランキングは133位。B組のクウェート(136位)に次いで低かったが、オランダを中心とした欧州からの「帰化組」を次々と入れて強化に成功し、いきなりサウジアラビア、オーストラリアと引き分けて注目された。

 長くチームの強化に貢献してきた韓国人の申台龍(シン・テヨン)監督が1月の東南アジアでの大会(「欧州組」は招集できなかった)で失敗すると、即座に解任して、かつてオランダ代表のスターFWだったパトリック・クライファート監督を招聘した。そして6月5日に中国を1-0で下し、目標としていた「4次予選進出」を確定した。

 クライファート監督が就任した後に帰化したFWオレ・ロメニー(オックスフォード・ユナイテッド)は、オランダU-20代表の経歴をもち、3月のオーストラリア戦(1-5)、バーレーン戦(1-0)、そして6月の中国戦(1-0)で3試合連続得点を記録、日本戦では孤立無援となってしまったが、力のある選手であることを示した。インドネシアはオランダの植民地だった1938年に「オランダ領東インド」としてワールドカップの舞台を踏んでおり、88年ぶりの出場を目指して、さらに「帰化政策」が進められるかもしれない。

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