
サッカー日本代表がワールドカップ予選を終えた。だが、アジア予選は、まだ終わらない。これから4次予選、そして大陸間プレーオフまで続いていくのだ。日本と同様、出場を決めた5か国の「実力」と、終わらない予選の「行方」を、サッカージャーナリスト大住良之が読み解く!
■指揮官として「帰ってきた」大スター
●韓国(11大会連続12回目)
韓国以外の5チームがすべて「中東勢」という偏った形となったB組は、韓国が6勝4分け、アジア3次予選では唯一の「無敗」で11大会連続12回目のワールドカップ出場を果たした。もちろん、アジア最多記録である。
2次予選の最中の2024年2月に、ユルゲン・クリンスマン前監督を解任。一時混乱状態にあったが、7月に洪明甫(ホン・ミョンボ)監督が就任、昨年11月から今年3月にかけて3試合連続1-1の引き分けという苦しい時期もあったが、6月5日にアウェーでイラクを2-0で下し、出場権を確定させた。
興味深いのは、ホームでは2勝3分けと苦しみながらも、アウェーでは4勝1分けという圧倒的な成績だったこと。組分けが決まったときには、中東勢とのアウェーゲームが5試合もあることが不安視されていたが、日本と同様、欧州勢が中心の韓国選手たちにとっては、時差の少ない中東での戦いのほうが楽だったのかもしれない。
アジアきってのスターである孫興民(ソン・フンミン=トットナム)がコンディションの問題もあってフル稼働できない中、新エースのFW呉賢揆(オ・ヒョンギュ=ヘンク)と攻撃的MFの李在成(イ・ジェソン=マインツ)が4点ずつをマークして出場権獲得に貢献した。李康仁(イ・ガンイン=パリ・サンジェルマン)ら欧州のトップリーグでスターとなっているアタッカーも抱える韓国だけに、前回に続くグループステージ突破、さらに2002年大会の「4位」に近づく成績も期待できる。