■3次予選「最大の驚きだった」初出場

●ヨルダン(初出場)

 今回の3次予選の最大の驚きのひとつが、ヨルダンの出場権獲得だろう。もちろん初出場であり、過去にワールドカップ出場に近づいたことさえなかった。FIFAランキング62位(アジア9位)で、3次予選で出場を決めたチームの中で最も低い。この組で韓国に対抗するかと予想されていたのはイラク。北欧育ちの選手が多く、昨年はじめのアジアカップ(カタール)では日本にショッキングな黒星をつけた。しかし、ヨルダンはそのアジアカップの準々決勝でイラクを下し、準決勝では韓国にも勝って決勝に進出した自信をそのままこの3次予選に持ちこみ、4勝4分け2敗で初出場を決めた。

 6月5日、オマーンのマスカットに乗り込んだヨルダンは、FWアリ・オルワン(セランゴール=マレーシア)のハットトリックにより3-0で快勝、勝点を16に伸ばした。そして、この試合が終了した直後にキックオフされた試合でイラクが韓国に0-2で敗れ、1試合を残して勝点12にとどまったため、ヨルダンの歴史的な初出場が決まった。

 監督はモロッコ人のジャマル・サラミ。得点源はオルワンととともに5得点を記録したヤザン・アルナイマト(アルアラビ=カタール)。大半は国内や中東のクラブでプレーしているが、唯一の「欧州組」(他にルクセンブルクのクラブ所属選手はいるが)であるFWムサ・アルクアマリ(レンヌ=フランス)も2得点を記録している。

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