
サッカー日本代表のワールドカップ・アジア地区予選が終了した。すでに本大会出場を決めていたチームは、この6月シリーズを、どのように活用したのか。そこで得た輝かしい未来につながる「希望」と、北中米ワールドカップで勝ち上がるための「課題」は何か? ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が語り尽くした!
■「怒りを感じた」天才のCB起用
――この2試合で、強い印象を感じた選手は誰ですか。
後藤「インドネシア戦では、久保建英と鎌田大地という常連選手が良かったのは当然として、新しい選手の中ではやはり佐野海舟かなあ」
大住「僕は新戦力の中では鈴木淳之介が一番良かったと思った。三戸舜介も悪くなかったし、ワールドカップ行きの可能性はあると思う。でも、鈴木のほうがもっと可能性は高いような気がするな。ボランチでもプレーできるし、湘南ベルマーレから羽ばたいていった遠藤航の後を追いかけているような感じがする。球際の強さとボールを持ったときの落ち着き、パスの精度はすごいよね」
後藤「強い相手と対戦するときにまた呼んで、テストしたいね。本当に強い相手との試合でも良さを出せるかな」
大住「世界で戦っていくには、ボランチで勝負したほうがいいと思うんだよね。身長180センチでは、CBとして戦うのはヨーロッパでは厳しいと思う」
後藤「遠藤もそうだった。国内では、湘南ベルマーレでも、移籍した浦和レッズでも日本代表でもCBとして使われていて、ボランチの天才をいつまでCBで使うんだと僕はけっこう怒りを感じていたんだよ。結局、ヨーロッパに行ったらボランチでしょ」
大住「3バックに入っても、高さがないと狙われるからね。鈴木は決してヘディングは弱くないけど」