
J3のFC琉球の攻めの営業が話題になっている。スポンサー費返金のピンチに見舞われたのだが、まさかの大逆転が起こり、さらにファンを盛り上げている。
5月末、昨年度のJリーグ各クラブの経営状況が公開された。浦和レッズが2年連続で売上高100億円を突破するなど、景気の良い話が飛び出していた。
だが、すべてのクラブの経営が好調であるということではない。特にカテゴリーが下に行くほど、苦しい経営を強いられているというのが現状だ。
だが、そんな苦境だからこそ逆転の発想で反撃を図るクラブもある。そのひとつが、J3を戦っているFC琉球である。
クラブは今年、苦しい状況を明かした。毎年、ユニフォームの胸部分のスポンサーを募るのに苦労し、定価で売れたことはほぼないと公表したのだ。
そこで新たな発想が生まれた。今年はシーズン通した胸スポンサーを募集するのではなく、時期によってばら売りすることにしたという。おかげで、9月までは完売。現在は、10月と11月のスポンサーを募集している。
琉球経営陣は、さらに攻めた。スタジアムに出す看板広告に、スポンサーの社名に加えて社長の顔写真を掲出することを決定。ゴール裏に設置した看板にある社長の顔にボールが当たったなら、150万円のスポンサー料を返還するというのだ。
経営陣としてはボールが枠内に飛ぶことを祈るばかりだったろうが、ついに「その時」が来てしまった。5月17日に行われたJ3第13節で、ゴール裏に出された「大矢運送」の看板に向かってボールが飛んでいったのだ。
ごまかすこともできただろうが、クラブはSNSでその場面の動画を「…返金?」とのコメントとともに公開。VARばりに検証に入っていた。