GKの「意に反した」山本悠樹の同点フリーキック、厳しい日程で「動きが重い」選手たちと勝つために【川崎フロンターレ「横浜FC戦」で示した逆襲の予兆】(2)の画像
過酷な日程で疲労がたまる選手たちを率いて、どのようにして勝利するのか。長谷部茂利監督の手腕が問われる。撮影/原悦生(Sony α1使用)

 2025年5月14日、川崎フロンターレ対横浜FCの試合がUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuでおこなわれた。
 試合は2-1で川崎が勝利した。川崎は、「4-2-3-1」のフォーメーションで中盤は三角形を組んできた。横浜FCのフォーメーションは「3-4-2-1」で3バックの最終ラインとフォワード(以後、FW)がワントップを形成している。

■市川暉記の「意識」を読んだ

 なお、試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんは、以下のDAZN公式ハイライトを見てプレーの詳細部分を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=7tp_baz-Q6k
 では記事後半は、川崎のフリーキックでの同点ゴールの場面から分析していこう。

【32分の川崎のフリーキックでの同点の場面】
 山本悠樹のフリーキックが決まって同点になったのだが、これはゴールキーパーの市川暉記がファーサイドに山本は蹴ってくると考えたポジショニングをしていることが失点につながっている。
 市川は、自分とディフェンダーの間に蹴ってくると考えていた。だからファーサイドを意識して、いつでも前に出られる形でキックを待っていた。しかし、市川の意に反して山本は直接ゴールを狙ってきた。

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