■セレソン「最初の敵」は85%
なぜ変更したのか、エクアドル協会は明らかにしていない。あるメディアは、近年欧州でプレーするエクアドル代表選手が増え、「高地」は必ずしもアドバンテージにはならなくなったからと報じている。3月のボリビア戦をグアヤキルで戦い、4-0で勝ったことで、代表選手たちから「グアヤキル開催」の要望が出ていたという。
当然、標高は0メートルに近い。ブラジル代表が最も恐れる「高地」の影響はない。ただ、赤道直下の「常夏」の都市(「エクアドル」という国名自体が「赤道の国」という意味である)だけに、最高気温は年間を通じて30度前後で、何より湿度が高い。6月は雨季の終わりに当たるが、例年、湿度は85%にもなる。
「とんでもなく蒸し暑く、人間の住むところではない。サッカーなんてとんでもないよ」
1991年から1992年にかけて三菱重工→浦和レッズでプレーしたアルゼンチン人FWオスバルド・エスクデロは、三菱に移籍する前、グアヤキルをホームとする「バルセロナSC」でプレーしていた。彼に「グアヤキルはどういうところだったか」と聞いて、返ってきた言葉だ。試合は、そのバルセロナSCが所有する「エスタディオ・モヌメンタル・イシドロ・ロメロ・カルボ(収容約6万人)」で行われる。
一般にブラジルの選手たちは蒸し暑さには強いが、快適な欧州でプレーしてきた選手たちがいきなり気温30度、湿度85%のところで90分間走るのは楽ではない。
エクアドル戦は6月5日、午後6時(日本時間6日午前8時)キックオフ。アンチェロッティ監督は、どのようなチームで、どのようなサッカーで挑むのか、そして「ワールドカップ6回目の優勝」へと、どうブラジル代表を導いていくのだろうか。