■「初めて」かつ「唯一」の記録
カルロ・アンチェロッティが現代サッカーの最高の監督のひとりであることは間違いない。1959年6月10日生まれの65歳。パルマ、ASローマ、ACミラン、そしてイタリア代表でMFとしてプレーした現役時代に終止符を打ったのは1992年で、即座にイタリア代表のアシスタントコーチに就任、1995年からレッジャーナを皮切りにクラブチームの監督を務めてきた。
クラブでの国内リーグ優勝は、イタリア(ACミラン、2004年)、イングランド(チェルシー、2010年)、フランス(パリ・サンジェルマン、2013年)、ドイツ(バイエルン・ミュンヘン、2017年)、そしてスペイン(レアル・マドリード、2022年、2024年)と5か国、6回にわたっており、欧州の「5大リーグ」を制した初めての、そして現時点で唯一の監督である。
さらに、UEFAチャンピオンズリーグ優勝も、ACミランで2回(2003年、2007年)、レアル・マドリードで3回(2014年、2022年、2024年)、計5回と、群を抜いている。
ちなみに、1955/56シーズンにスタートした「欧州チャンピオンズカップ時代(~1992年)を含めても、5回どころか、4回優勝した監督も他にはいない。「チャンピオンズカップ」時代には「優勝監督」が24人生まれ、最多はボブ・ペイズリーの3回(リバプール、1977年、1978年、1981年)。「チャンピオンズリーグ」時代になってからは19人で、アンチェロッティに続くのはジョゼップ・グアルディオラの3回(バルセロナ、2009年、2011年、マンチェスター・シティ、2023年)である。