
今回のtotoはJ1第16節の10試合と、J2第15節の3試合が対象となっている。過去のデータや直近の様子などから、分析を進めてみよう。
■5連勝の浦和に「足りない」勝利
前編では、鹿島アントラーズと川崎フロンターレという今節屈指の注目カードの行方を予想した。後編では、他の気になるカードに目を凝らしていこう。
ゴールデンウィークの連戦をうまく乗り切ったチームがいくつかあった。その筆頭は5連勝中の鹿島だろうが、前節こそ敗れたものの、連休前の第10節から5連勝していた浦和レッズも悪くない時間を過ごしていた。
今節は18位と降格圏に沈むアルビレックス新潟と対戦する。通算で30勝7分5敗と大きく勝ち越している相手だが、今回は苦しむことが予想される。
まずは、選手たちのコンディションが気がかりだ。GKの西川周作は前節、開始早々に負傷交替していた。サミュエル・グスタフソンも、ここ2試合はベンチにも入っていない。
さらに気になるのが、新潟との戦略的な相性だ。
5連勝も手伝って、現在7勝4分4敗としている浦和だが、まだ足りないものがある。今季まだ、逆転勝利がないのだ。
対する新潟は、いまだホームでの勝利はないものの、昨季上位のヴィッセル神戸とサンフレッチェ広島を下して2勝している。戦力ダウンが叫ばれるが、「やれる」ということを結果で示しているのだ。
新潟の奮闘ぶりで面白いのは、ストーリー性がうかがえることだ。自分たちのスタイルと相手による対策を考え合わせ、試合の運び方を考えている。綿密に練ったであろう戦略の結果、前半のうちに先制する試合が多いのだ。
そのまま逃げ切れれば、ともに1-0で勝った神戸戦、広島戦のような結果につながるはず。だが、これこそ戦力流出の影響か、シナリオ通りにコトは運ばない。惜しい場面をつくるものの、追加点を奪うことができず、追いつかれ、さらには逆転を許してしまっている。
先制に長けるが逃げ切れない新潟と、逆転するまでには至らない浦和。両チームの激突で、導き出される答えは、引き分けだ。