■去年より厚い選手層

 チャヴリッチや田川享介の復調もあってFW陣の選択肢が増えているのも朗報だ。特に田川は短期間で2ゴールをゲット。かつて日の丸を背負った頃のような鋭さを取り戻しつつある。裏抜けやスピードというストロングを前面に押し出すようになったことが大きいと本人も語っているが、それを引き出すような指揮官の起用法も光っている。彼がこの先、得点を量産してくれるようになれば、鈴木優磨を中盤やサイドなどで幅広く柔軟に使えるケースも多くなる。そうなってくれれば理想的だ。
 守備陣の方は植田直通安西幸輝、早川友基への依存度が高く、さらにケガ人が出ると黄色信号が灯りかねないが、そこは移籍ウインドウが空く6月までしのいでいくしかない。濃野公人の復帰も待たれるところだが、彼らで堅守を支えていくことができれば、大崩れはしないだろう。
 いずれにしても、使えるメンバーの数はランコ・ポポヴィッチ監督時代に比べるとかなり多くなってきた。その方向性をさらに加速し、何があっても戦い抜ける強固なチームを作れれば、2016年以来のJ1タイトル奪取が見えてくる。そうなるように、彼らは持ち前の勝負強さを示し続けていくべきである。
(取材・文/元川悦子)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4