■クラブにとっても大きな意味
柳沢敦コーチ、小笠原満男・アカデミー・テクニカル・アドバイザーがユース時代に育てた彼のような生え抜きが成長するのは、クラブにとっても大きな意味がある。
「まだまだ(同じポジションの)満男さんには程遠いですけど、こういう形でしっかり結果を残して、満男さんのようなアントラーズを象徴するボランチになれるように、少しずつやっていきたいなと思います」と伸び盛りの22歳のMFは野心を吐露したが、彼や津久井佳祐、松村優太ら1年前の今頃は構想外のような扱いを受けていた面々が確実に戦力化しているのは、特筆すべき点だろう。
「オニさんになって(若い選手が)伸びている部分が沢山ありますし、今までよりもさらにブラッシュアップしていかないと、なかなか競争には残っていけないのかなと。みんなが高い意識でやってるからこそ、ビッグプレーヤーでも最初から出れない状況も生まれていると思います。
僕も苦しい時間も長かったんで、試合に出れない時の気持ちは分かりますし、つねに全力でやり続ければどの選手もチャンスがある。お互いがお互いを引っ張り合って、いい競争を引き続きしていきたいですね」と三竿も神妙な面持ちで語っていたが、彼や柴崎、知念のような実績ある選手でも簡単にピッチに立てなくなっているのは、ハイレベルな競争がある証拠。復帰途上にある樋口雄太も含めて中盤の選手層が厚くなっているのは、今後を戦い抜くうえで大きな力になりそうだ。