■今シーズン初の1試合3得点
2対1のまま試合を進める仙台は、78分に勝利を手繰り寄せる3点目をゲットする。決めたのはFW荒木駿太だ。FC町田ゼルビアから加入し、開幕から全試合に出場してきたアタッカーが、今シーズン初めてゴールネットを揺らしたのだった。「取ってほしい」選手が、ついに取り切ったのである。
得点のきっかけは、左SB石尾陸登のボール奪取だった。五分五分のボールを競り勝って保持し、そこからパスがつながってゴールが生まれた。ドリブルで相手を剥がすことができる石尾の推進力は、仙台の武器のひとつにあげられる。
仙台の1試合3得点は、今シーズン初めてだ。
ここまで決め切れなかったセットプレーで2得点を記録し、新加入のCB井上詩音と荒木が初得点をマークした。主力の離脱でスタメンに名を連ねるMFオナイウ情滋が、得点に関わることができている。さらにこの試合では、ベテランCB實藤友紀が今シーズン初めてピッチに立った。5連戦の3試合目を総力戦で乗り切った仙台は、2連勝で7戦負けなしとしたのである。
13節では首位のジェフユナイテッド千葉、2位のRB大宮アルディージャが引分けた。仙台はRB大宮を勝点1差でかわし、2位に浮上したのである。J1自動昇格圏に入るのは、今シーズン初めてだ。
6日の第14節は13位の藤枝MYFCとのホームゲームで、10日はRB大宮、17日は千葉とのアウェイ連戦だ。ゴールデンウイーク後半から千葉戦までをいかに乗り切るか。ここからの3試合でどれだけ勝点を伸ばせるのかは、今シーズンの仙台を左右することになるだろう。