
現在、各都道府県おいて天皇杯代表チームが続々と決まっている。東京都でも代表決定トーナメントである「第30回東京都サッカートーナメント」が進んでいるが、サッカージャーナリスト後藤健生はこの大会が、首都ならではの「異種格闘技戦」だと考えている。
■都代表を争う「異種格闘技戦」
僕はこの東京都トーナメントという大会を、毎年楽しみにしている。
日本の首都で、日本の人口の1割ほどが居住し、日本の政治や経済の中心である東京には数多くのサッカーチームがある。
現在、Jリーグでは東京のクラブとしてはFC東京、東京ヴェルディ、FC町田ゼルビアの3チームがJ1リーグで戦っている。2024年シーズンに東京Vと町田がJ1に昇格したため、J2リーグ、J3リーグには東京都のチームはなくなった。
そして、Jリーグの下の全国リーグ、日本フットボールリーグ(JFL)には東京都のチームとして横河武蔵野FCとクリアソン新宿の2チームが所属している。
横河武蔵野は1939年創設という長い歴史を持つ横河電機サッカー部を母体としたチーム。一時はJリーグ入りを目指した時期もあったが、今はアマチュアとして活動を続けている。
一方、クリアソン新宿は2005年に創設された新興チーム。すでにJ3ライセンスも取得してJリーグ入りを目指している。
昨年は16チームで行われたJFLで、クリアソン新宿が14位、横河武蔵野が15位とどちらも低迷したが、昨年のシーズン後半からクリアソンは北嶋秀朗監督が守備の再構築に着手。今シーズンは7試合を終えた時点で10位と中位をキープしている。
JFLの下には地域リーグである関東リーグがあるが、東京都のチームとしては1部には、昨年準優勝と躍進した東京23FCのほか、東京ユナイテッドFC、南葛SC、そしてエリース豊島FCの4チームが所属。関東2部リーグにも日立ビルシステムがいる。
さらに、東京都には関東大学リーグの強豪を含めて多くの大学チームが所属しており、まさに群雄割拠。それらが、いくつものカテゴリーのリーグに分かれて戦っているのだ。
東京都サッカートーナメントは、そんなさまざまなカテゴリーのチームが集まって「東京都代表」というタイトルを争う、いわば異種格闘技戦のような大会なのだ。