学生チームと社会人チームが「東京都代表」を巡って激突、違いを生み出す「元サッカー日本代表42歳」らJリーガー【天皇杯出場へ「サッカー界の異種格闘技戦」で大波乱】(3)の画像
東京都サッカートーナメントには学生も、今野泰幸(写真右から2人目)ら元サッカー日本代表も参戦する。撮影/渡辺航滋(Sony α1使用)

 現在、各都道府県おいて天皇杯代表チームが続々と決まっている。東京都でも代表決定トーナメントである「第30回東京都サッカートーナメント」が進んでいるが、サッカージャーナリスト後藤健生はこの大会が、首都ならではの「異種格闘技戦」だと考えている。

■都代表を争う「異種格闘技戦」

 僕はこの東京都トーナメントという大会を、毎年楽しみにしている。

 日本の首都で、日本の人口の1割ほどが居住し、日本の政治や経済の中心である東京には数多くのサッカーチームがある。

 現在、Jリーグでは東京のクラブとしてはFC東京東京ヴェルディFC町田ゼルビアの3チームがJ1リーグで戦っている。2024年シーズンに東京Vと町田がJ1に昇格したため、J2リーグ、J3リーグには東京都のチームはなくなった。

 そして、Jリーグの下の全国リーグ、日本フットボールリーグ(JFL)には東京都のチームとして横河武蔵野FCとクリアソン新宿の2チームが所属している。

 横河武蔵野は1939年創設という長い歴史を持つ横河電機サッカー部を母体としたチーム。一時はJリーグ入りを目指した時期もあったが、今はアマチュアとして活動を続けている。

 一方、クリアソン新宿は2005年に創設された新興チーム。すでにJ3ライセンスも取得してJリーグ入りを目指している。

 昨年は16チームで行われたJFLで、クリアソン新宿が14位、横河武蔵野が15位とどちらも低迷したが、昨年のシーズン後半からクリアソンは北嶋秀朗監督が守備の再構築に着手。今シーズンは7試合を終えた時点で10位と中位をキープしている。

 JFLの下には地域リーグである関東リーグがあるが、東京都のチームとしては1部には、昨年準優勝と躍進した東京23FCのほか、東京ユナイテッドFC、南葛SC、そしてエリース豊島FCの4チームが所属。関東2部リーグにも日立ビルシステムがいる。

 さらに、東京都には関東大学リーグの強豪を含めて多くの大学チームが所属しており、まさに群雄割拠。それらが、いくつものカテゴリーのリーグに分かれて戦っているのだ。

 東京都サッカートーナメントは、そんなさまざまなカテゴリーのチームが集まって「東京都代表」というタイトルを争う、いわば異種格闘技戦のような大会なのだ。

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