ACLEでは選曲も担当

 その佐藤氏だからこその仕事もある。ACLEでは出場8チームが大会主催者に対して「フェイバリットソング」を提出していた。勝利時やゴール時などにサポーターが盛り上がる曲を流そうというAFC側のはからいによるものである。
 川崎のそれを選んだのが佐藤広報だった。得点時に流したのはもちろん、アメリカのロックバンド『グリーン・デイ』の『バスケット・ケース』で、ウォーミングアップ時には『trf』の『CRAZY GONNA CRAZY』だった。どちらも、等々力で流れる定番のものだ。
 そして、勝利後に流したのは、日本のスリーピースロックバンド『SHISHAMO』の『明日も』。佐藤広報がその選曲理由を「勝ったらこの大会がつながるから、『明日も』しかないなと思ってました」と語るもので、アルサッド戦後には「ちょうど(試合後のサポーターへの)挨拶のタイミングで流れてくれたので、みんなサポーター喜んでもらえたかな」と笑顔を見せていた。
 もともとあるチーム愛を、今はクラブ内で最大限に生かしている佐藤広報。表情をあまり変えるタイプではないが、その胸に秘めたものは熱い。
(取材・文/中地拓也)
【その11「竹内弘明強化本部長」へ続く】

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